現在モーリー・ロバートソンは、急展開するエジプト情勢を翻訳し、Twitterで配信中です。
おかげさまでエジプト情勢が発生する前は1000人前後であった「@gjmorley」のフォロワー人数が、おかげさまで現在7300人にもなりました。拡散と情報共有を重ねて感謝いたします。当初の記号の使い方や情報を引用する方針をご存じない人の方がマジョリティーとなりましたので、改めてご説明します。
まず、ニュース記事は「BBC」や「CNN」「朝日」「産経」などという風に、まずソースを記、そのあとは「:」で区切り、記事のみだし(および翻訳)を載せ、リンクを記入します。英文からの翻訳である場合は、意味が伝わりやすいことを重視して、逐語訳ではなく意訳を中心にしています。
記事のソースが「Foreign Policy」などの有力ブログである場合は「FP記事」といった風に表記し、耳慣れないブログや個人サイトの場合は「ブログ記事」にしています。またとても長くて打ち込みにくいアラブ系の新聞は単に「中東紙」と表記、アルジャジーラは「AJ」です。
英語圏で流れているツィートの中からさまざまなものを抽出して、意訳したものを日本語で流しています。表記は「Tw:」や「Twから:」です。スピードを重視しているので、一語一語の語法を変えることもあります。未確認情報であったり、偽情報と疑われる場合は「未確認」と書き添えています。
また「Mubarak has to step down NOW」などと書かれたものは日本語で大文字がないので「ムバラクは今すぐに辞任せよ!」「〜去れ!」「〜退け!」などと翻訳しています。ですがニュアンスをくみ取って、必要以上に脚色をしないように配慮しています。
また、英語のツィッターを翻訳したときに「URGENT pls RT RT」などと書かれたものが、ままあります。その場合、「Twから:緊急 RT望む」といったように、そのまま訳していますが、これは日本語ユーザーの皆様に「モーリーがRTを望んでいる」のではありません。翻訳です。
モーリー自信の感想やコメントは「☆」印の後につけるようにしています。エジプト情勢は極めて流動的であり、誤報が流れることもしばしばあるので、あまり強めの価値判断を加えず、解説をする範疇にとどめています。
ただ、エジプトの安定的な政権移譲を強調する英首相が、同日のスピーチで英国内のテロの問題に言及するような記事が出た場合は「☆問題の受け止め方が間違っている」と価値判断を加えることもあります。
英語ツィートの流れが早まったときには、翻訳している間にブラウザからツィートが消えていってしまうので、あぶないと思ったらそのまま英語でRTをしています。心に残った原文のツィートを「日本語にしよう」と思った方は、是非やってみてください。
英語・日本語を問わず、幅広い意見や世界観を代表したサンプルを抽出するように心がけています。モーリー自身はムバラク退陣→チュニジア式の暫定政府案→ムスリム同胞団も含めた総選挙のプランを支持しますが、正反対の意見やもう少しネオコンがかった世界観の英語・日本語ツィートもRTしています。
誤解や偏見も含めて、世界の人たちがエジプト、アラブ世界、中東に対して抱いている思いがツィッターに噴出しているので、これを紹介していくことをミッションと感じています。
ネットを使っていると、自分にとって耳障りの良い意見や聞き慣れた意見のみを選んで読むという生活習慣に陥りがち。それを続けると、だんだんとものの見方も内向きになり、変化を拒むようになります。日本のマスコミが海外情報全般に疎いのは、こうした傾向によるものではないかと推理しています。
本来ならば、アルジャジーラのアラビア語版と英語版を日本のマスメディアが追いかけ、間断なく新情報をネットや諸媒体で紹介すべきだと思いますが、それがいかに遠いかを自分のマスコミ経験や、今現在マスメディアにいる人たちの証言で知っています。ですから、今は最善策として市民が協力するのが最善だと判断しています。
現在、多くの皆さんがお互いに決まった打ち合わせ無しでボランティアの翻訳作業を進めており、それらの情報源が
#egyjp という日本語向けのハッシュタグに集められています。ここに行くと、こちらのアカウントで扱わなかったか気がつかなかった情報もたくさんあります。
どんどんと一週遅れ、二週遅れになっていきそうなエジプト情勢への「認識格差」を埋めるため、多くの皆さんと協力して情報を広めている次第です。ボランティアなので仕事の手を止めており、限界がありますが、エジプト情勢が落ち着くまで頑張っていこうと思います。
こちらのアカウントをフォローしていただいている方にお願いしたいことがあります。それはエジプト情勢に関して「これは他の人も知っておいた方がいい」というアイテムがあれば、RTをしていただきたいことです。ですが、うるさがられるほどのものでなくてもかまいません。さりげなく。
以上、現場の雰囲気を翻訳し、日本語でもいろいろな意見が出ていることを反映する作業として今回エジプトに取り組んでいます。「米政府はどのように中東やイスラエルに関わるべきか」「日本のマスメディアはここを変えるべきだ」といった議論は、将来のエッセイ文に盛り込むつもりです。
ということで、よろしくお願いします。
【参考文献】
読売新聞(1月27日)
「エジプト騒乱で威力を発揮したソーシャルメディア」
これまでの国際情勢に関するエッセイ集は「Groove Japan」の公式サイトに掲載されています。
第1回「Wikileaks」をめぐる米政府の狼狽(
記事リンク)
ライター 三上洋さんのブログから:エジプト騒乱 Twitter/ライブ動画の情報源まとめ
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