年末年始に少し時間ができて、とにかく語りを聞きたい。聞き続けたい...そんな欲求に応えて「i-morley」のバックナンバーをリンク更新し、2008年までさかのぼって聞けるようにしました。デザインをリニューアルした
アーカイブから一月ごとのページで聞くことが出来ます。
また、ニフティの「Podcasting Juice」はサービス終了をしましたが、このページで「Add to iTunes」をクリックすれば、「i-morley」を新たに「iTunes」へと登録し、番組を自動取得できます。
しかし、よくもまあこれだけの時間をしゃべり続けたものだと驚いています。どれほどのスタミナがあるのか、と...USTREAMやニコニコ動画、そしてスマートフォンが普及した現在、このポッドキャストがヴィンテージ、アンティークのようにも聴こえます。が、今初めて「i-morley」を聞いた人にとっては新鮮かもしれません。新しいレイアウトで個別の番組についてツィートもできるようになりました。
今ランダムに「i-morley」を試聴していますが、とても遠い昔の番組に聴こえます。その後世の中が激動期に入ったことや、インタラクティブ放送が当たり前になったことなどで、ヴィンテージの味わいがあります。しかし配信している当時は、1本流すごとに綿密な検証と覚悟を重ねていました。それぞれの番組にあいまいなタイトルや説明文しか付いていないのも、故意にカモフラージュをし続けた結果です。J-WAVEのレギュラー番組に出演する横でゲリラ的に配信する「i-morley」は、いつその内容がクレームや炎上、あるいは訴えを引き起こすかもしれないという中で制作していました。
J-WAVEの編成部と常にいたちごっこを繰り広げるように、タブーとされる話題をさりげなく番組の中盤に盛り込んだりしています。番組を全文書き起こすソフトがあったなら、継続もあやしかったかもしれません。3.11以降の今となっては「何がタブーなのか?」という可愛いテーマも。マスコミの力がいかに一極集中し、ネットでの発信が異端またはアマチュアとして見られていたか、そのパワーバランスが番組のいびつなネーミングに反映されています。昨今、いかにかつてのタブーが吹き飛んでしまったかを改めて実感しました。
しかしよくもまあこれだけ丹念に編集したものだ、と制作した自分自身で驚いています。BGMや音響で使用されている音楽もすべて自作です。配信を始めた2005年当初はネットでの音楽ファイル共有がことのほか監視されている時期だったので、潔癖なまでに自作しています。100曲ほどかな?
90年代の「Across The View」をもうそのまま再現することはないのと同様に、おそらく「i-morley」を同じフォーマットで送り出すことはないと思います。その時々の環境に合わせて即興性・即時性で語った番組だったので、今何かを新たにやるなら、当然変わってしまうでしょう。平和ボケな日本、何も起こらない日本、怒り方を忘れた日本...そんな、今と比較するとあまりにもイノセントな日々の中で、スケートリンクを滑るようなペースで語り、配信していました。でも、今聴いても危ないものがそこかしこに埋めこまれているかもね。アートとして受け止めてください。
過去を思うため、あるいは未知の領域に想像を赴かせるために、ひとつどうぞ。