予告編公開まであと1週間

みなさん、こんにちは。「Groove Japan」のドキュメンタリー制作がすでに進んでおり、12月1日に予告編の動画が公開されるスケジュールになっています。今までに経験したことがないほど、マルチタスクで忙しい日々を過ごしており、あまりにビジーで気もそぞろ。冬に向けての季節の微妙な変化もあまり感じておりません。

そんな中、ときどき「hot flash」となっていろいろなアイデアが湧き、Twitterに連続投稿をしたりします。もしかして「できあがっている」「らりっている」のではないか?と思った人もいるかもしれません。でも、酩酊はしていません。意識は覚醒したまま、何かが「見えて」ついターをしている感じです。

南北格差を解消するさまざまな方法を日本から発信したい。日本社会に画一的ではない方法で元気を回復したい。大人の外交ができる政治家を選出する日本社会を基盤から育てたい。欧米へのコンプレックスを拭い、より次元の高い使命感を覚醒させたい。などなど、夢は膨らんでおります。

今回目指しているのは、ムーブメントです。これまで「ムーブメント」を呼びかけるのは、政治運動やスピリチュアルな運動を始めているようで、そのネーミングにすら個人的にはアレルギーがありました。「モーリーさんは教祖になればいい」だとか「アーチストというよりも活動家ですね」といった冷やかしのような褒め言葉は何度も聞いてきました。その度に、指導者といえば独裁者や自分勝手な扇動者しか出てこない日本の土壌に改めて苛ついていました。ああいう連中といっしょにするな!と。

ですが、最近視点が少し変わりました。日本社会が次世代に反映し、国際社会に積極的に参加・貢献し、また世界の富を享受し続けるためには、意識が目覚めていることが必要です。そしてユートピア的な理想を言えば、みんな同時多発的に、何もしなくても勝手に目が覚めていくものなのですが、現実世界ではそうなりません。ならない理由は政治的に眠らせておこうとする権力の構造もありますし、人間の心の暗い面もあります。とにかく、分析を始めるときりがない。何か新しい動きを起こそうと思い立ったときに「やめろ」という理由は、思いつくだけあります。反対に、一人の人間が事を起こせば、それが連鎖していって世の中が変わる可能性もあるのです。日本にチェインジをもたらす波です。

昨今は日本社会の中でもいろいろな変化が急ピッチで起きていて、それを肌身で感じ取れる人たちも増えています。戦後ずっとうっちゃらかしていた外交も国民的な関心を集めています。平和ボケから一番遠いところに来ているかもしれない今、ちょっとしたムーブメントを起こしてもいいな、と思い立ちました。

「Groove Japan」はずばり、日本の『乗り』を回復し、新たなグルーヴのスイッチを入れるにはどうすればいいかを多面的に模索するプロジェクトです。特設サイトに掲載される連続エッセイの他、実世界で開催される講演会シリーズを通じて新たな視点を提供します。また、佐々木誠監督の奇才を通じて映像にも落とし込まれ、その映像を音の面でドライブする音楽をモーリーが作っていきます。

日本のグルーヴとは、右寄りの人たちが連呼している「大和魂」のスローガンとは、ほど遠い位置にあります。多様な人たちがお互いに強調したときに生まれる、バリ島のガムランのようなゆらぎと統一性です。国民が一丸とはならず、同時多発的に多様な活動をしているイメージです。みんなが個人主義をとことん情熱的に追求すれば「見えない手」が動いて全体がよくなる、というアダム・スミスっぽい要素もあります。資本主義を性善説で見て、そこにブータン国王が提唱しているGNHを少し足した感じ。でもブータンでは実際に国王の独裁体制の下、人権侵害の問題も報告されており、言論の自由も多様性も制限されています。ですから「日本をブータンにしよう」という計画でもない。

かつての成功体験にあった「団体行動のグリッド+画一化+没個性+生活の安定」というフォーミュラを抜け出して、もうちょっとリスキーだけど、倍楽しい生き方をしよう!と提唱します。モーリーの生き方もハイ・リスクであり、幸福を実感する時はひとしおですが、これはモーリーの物語というよりも日本の物語。さまざまな分野で何かが見えている人、パッションを追求している人、自由に生きる人を追っていきます。そこからかいま見える魅力や個々人の輝きが感じられたら、見ている人も自分が本当にやりたいことへと、ほんの少し前に踏み出せるかもしれない。そんな願いがこめられた構想です。

「欧米に追いつけ、追い越せ」のパラダイムに今でもしがみついている人なら、「今こそ日本は個々人の能力差を肯定し、やる気のない奴を切り捨てて、世界暮らすのエリートを作り出すべし。中国もインドもそれをやっている」と主張する感じです。おやじ雑誌にもそういうコラムがよく掲載されています。日本の競争力がまだまだ捨てたものじゃない、ということを確認できそうなことなら、スポーツ大会の結果でも受賞であっても大きなニュースとして御輿に乗せられます。で、モーリーの考えている「Groove」は、そういった「競争力」や「トップの座」とは直接関係ないんです。

今はまだぼんやりとした直感レベルで見えていることを、徐々に映像と文章に落とし、形にしていく作業をじわじわと進めています。そしてこれらは、年末に向けて徐々に形になっていく予定です。とにかく、すっごくおもしろくなる見込みなので、是非ご期待ください。

Posted by i-morley : 23:08