【北京=藤原秀人】中国共産党の胡錦濤(フー・チンタオ)総書記(国家主席)は17日、台湾の呉伯雄(ウー・ポーシュン)国民党主席に早期に大陸を訪問するよう招請した。20日に台湾で「一つの中国」を掲げる国民党政権が発足するのを前に、関係強化の意向を鮮明にしたものだが、四川大地震発生後に台湾でも「同胞意識」が高まっている状況を見据えた動きでもある。
招請は、国務院台湾事務弁公室の陳雲林主任が新華社通信に明らかにした。政権与党となる国民党も応じ、中台関係は新たな局面を迎える。
中台の改善ムードは四川大地震で一気に高まった。99年に死者2千人以上を出すなど台湾は地震多発島で、住民は地震の被害に敏感だ。国民党の馬英九(マー・インチウ)氏は13日に約70万円の義援金を出した際、「一つは人道面から、もう一つは中華民族のひとりであるからだ」と述べた。また、独立志向の陳水扁政権も人道支援に踏み切った。台湾からの義援金はずば抜けて多い。
中国メディアは義援金を寄せた台湾の企業や宗教団体、著名人の名前と金額を詳細に伝えている。大陸で活動する台湾企業にすれば、払わざるを得ない雰囲気でもあるが、中国のネット上では「同胞」からの支援に対して感謝の表明が相次いでいる。