ロシア国境に近い黒竜江省チャムスは「中国で最も早く日が昇る都市」として知られる。ここで生まれ育った元工場労働者が3月、「国家の転覆を扇動した」として懲役5年の判決を受けた。
楊春林氏(52)。アルミ工場を20年前に解雇され、浴場であかすりの仕事をするなどして生計を立てた。妻(55)は心臓病を患う。長男(17)は専門学校で日本語を学ぶ。
05年12月。医療過誤を訴えた親族と病院側との交渉に立ち会い、「保安員」と称する二十数人の男に暴力をふるわれた。母親(79)は肋骨(ろっこつ)を折られた。警察は黙殺。楊氏は地元や北京の政府機関に陳情したが、相手にされなかった。この事件をきっかけに法律を独学する。
チャムスから約200キロ離れた農村では、開発のため耕地を奪われた農民が地元政府に抗議を繰り返していた。楊氏は零下30度まで冷え込む冬場も徒歩で出向き、農民を法律面で支援した。