サンフランシスコにOpen Source Yoga Unity(OSYU)という団体が存在する。インド系の新しいソフトウエア企業の名前ではない。体操・呼吸法のヨガなのに、オープンソースなのだ。
ヨガマスターとして有名なBikram Choudhury氏が、自ら考案したヨガ・メソッドの著作権を主張しているのに対して、OSYUはヨガのポーズは共有の財産であるとしている。
ビクラム・ヨガは、ホットヨガとも呼ばれ、40度ぐらいの高温の部屋で行うのが特徴。26のポーズとふたつの呼吸法のエクササイズで構成される。Choudhury氏は1973年にサンフランシスコに最初のヨガ教室を開き、その後、数々の芸能人やスポーツ選手がビクラム・ヨガを勧めたことがきっかけとなって爆発的に広まった。ちなみにビクラム・ヨガの教室を開くには、トレーニング・プログラムを受講し、フランチャイズ契約を結ぶ必要がある。
ブランドを確立したビクラム・ヨガだが、同メソッドを参考にしたヨガ教室が全米各地にオープン。そこで昨年、Choudhury氏は100人を超えるヨガ・インストラクターに、同メソッドに近いヨガクラスの中止を求める文書を送付した。これに対しOSYUは、ビクラム・ヨガのポーズはヨガの古典と呼べる84のポーズから抜き出したもので、著作権は適当ではないと主張、訴訟に発展した。
真剣にヨガ論争しているのは関係者だけであって、巷では「49ersの攻撃パターンにも著作権を主張できるかもなぁ(ビル・ウオルシュ時代の攻撃が今や数多くのチームで採用されているので……)」という笑い話になっている程度だ。
面白いのはオープンソース・ヨガという名前の意外な効果である。冷静に考えれば、「ヨガのソースって何?」という感じなのだが、「オープンソース」という言葉を出すだけで、OSYUの主張がなんとなく伝わってしまう。サンフランシスコという土地柄から何気なくつけた言葉が、思わぬ効果を発揮している。
これはOSYUにとって便利だった反面、オープンソースという言葉のあり方に課題を残した。今回は許容できる範囲だが、それでもOSYUが、その名前から実際の活動以上に好意的なイメージを持たれているような印象を受ける。使い方によっては、今後曲解を生み出しかねないと考えると、"オープンソース"のような言葉こそしっかりと管理されなければ、と思えてくる。